2016年5月23日月曜日

セルフディスカバリー王滝レースレポート

©Tamo


期日:2016年5月22日 会場:長野県木曽郡王滝村
天候:晴れ 気温 25度 コース状況:ドライ
距離:100km

機材
バイク:SCOTT/スケール RC700 2016 メインコンポーネント:SHIMANO/XTRDi2 ホイール:(F)Easton Heist15x110 (R)SHIMANO/XTRカーボン
ハンドル、ステム、サドル、シートポスト:Syncros/FL1.0  グリップ:Ergon GE1Slim
サスペンション:FOX RACING SHOX /(F)32 Step-Cast 27.5 100mm CTD ADJ 1.5"taper (55psl)Kabolt15x110Boost コンプレッション+3 (体重63kg) 
タイヤ:IRC TIRE/G−crow TUBELESS READY 27.5 x 2.25(1.8psl)
ヘルメット:SCOTT/ Vanish EVO2 /RCYellow
サングラス:OAKLEY /RADER EV , Lens/Slateバイクジャージ:WAVE ONE/レジェフィットシューズ:Shimano/SH-XC90,CustomFitチェーンオイル: Finish line/Ceramic Wax Lube&Wet Lubeサプリメント:Grico/Powerproduction (レース前:エキストラバナーワンセコンドHCA(レース中:クエン酸&BCAAワンセコンドライチ(レース後:エキストラアミノアッシド /PROSPECグルタミン/ゴールデンタイムプロテイン/ジョイントプラスPowerber/Powerbar banana PowerGel トロピカルフルーツ Gel Blasts レモン( レース前後)
ウォームアップ:Feedbacksports portableTrainer
結果:3位 タイム4:44:09 

2006年より出場し続けている王滝のレースは11勝し、多くの失敗やトラブル、機材トラブルの大半がパンクで、2度パンクしても優勝したり、大接戦で最後の下りでパンクして優勝を逃したり、ぶっちぎりで勝てた時もあり、勝負にも様々なドラマがある。ここ数年のモドカシイ成績を吹き飛ばすような展開と結果を出したいと、過去の自分をインスピレーションさせながらトレーニングを見直す。また、連戦でレースを走る事での仕上がりから、レースで必要不可欠な人と競り合う事とスピード感覚を犠牲にしてまですることの別のアプローチ。厳しいトレーニングと休養を織り交ぜて、決戦の王滝までのレースに備えた。それでも、3日前のギリギリの走り込みもやりすぎかとも思える調整。しかし、回復に専念して良い方向へと進み確信できたのは当日の朝に成るから、コンディショニングは難しいとも感じた。

<ファンツーリング>
前日はファンライドツーリングのアテンドで、ゆっくりと走るメンバー担当で20kmのコースを走りに出かける。川の水位で路面がどう変化したか?日差しの強さでどのように自分に影響するか?気候の違いなどを体で感じながら、明日に備えた最終チェックも。と同時に仕事的にも、メンバー全員の気配り、ペース配分と楽しめたと思える満足度も重要だ。触りのみ御嶽山を見ながら、今日の目的地で記念撮影。違うレベルのライダーと走る事でどう楽しんでいるかも興味が湧くところで、いろいろなライダーと話しを咲かせながら、明日参加するためのレクチャーや今後の楽しめるようなワンポイントなどを講習して、参加者全員で明日に気持ちを向け終了した。

<アイドリング>
普段のレーススタート時間からは考えられないほど早い。睡眠時間を確保するために早めの就寝。夜中の3時に起きて身体を目覚めさせ、スタート時間までの自分リズムを作り出す。考えすぎずかつ、ことを確実にこなす。スタート1時間前の5時に到着し、気温は6.5度と肌寒い。ポータブルローラーでウォーミングアップというよりも、身体をアイドリングで目覚めさせる感覚でゆっくりと回し、スタートに備えた。

<バイクセッティング>
春の王滝はとにかく登坂勝負。時計回りのルートは全体的に登坂が多く、苦手意識の高い尖った岩でサイドカットもありえるため、普段よりスピードをセーブしてもどかしさをギリギリで攻める。そのために、バイクは前後サスペンションのある方がが有利に決まっているが、攻めの走りをするために初のフロントのみサス付きのリジットバイク、スケールをチョイス。SDS(ショックダンピングシステム)というシートステー側がバネ板の様に撓んで推進力に変える構造の機能を兼ね備えているので、決して硬い訳ではない。むしろタイヤ圧を落とし、ペダル回転数を早くすれば充分なサスペンション構造に近づけて、登坂での推進力につながるを狙いだったのだ。また、新型のフォックスは、安定した動きと軽量担っているし、軽くなった分のパンク対策でシーラントを多く入れられる。また、必要最低限にコンパクトな装備にして、サドルバックにCO2ボンベとチューブ。ボトルゲージに挟み込む様にニンジャというクリップ式ツールボックスを素早く取り出せるように右に向けにセット。
タイヤはサイドが一番グリツプして、転がりの軽いGクロー。フロントチェーンリングは軽めの32Tにして、チェーンも長めにして、オイルもワックスをベースにテフロンを馴染ませた。





スタート定刻時間が迫り、先頭へと並び、安全祈願でレースはパレード走行で始まる。平坦走行でしばらく進むため、レベルがバラバラだし、写真を撮りたいとか一瞬でも先頭で憧れの位置で走りたいと迫ってくるので、気を抜けずにハラハラだ。今回は特に会話が少なかったのは、間に見慣れない慣れないライダーが挟まり、走るリズムが違う事。対向車の誘導トラブル2件と、意識を取られつまらないトラブルを起きないようにして、ストレスを感じていた。先導車が外れ、本格的なレースがここから始まる。縦一列で一気にスピードは上がるが、気狂いにダッシュする形ではなく、なんとなくの戦闘モードへ。牽制しながら、互いに先頭を引き登坂へと駆け上がる。あっという間に5名ほどに絞られ、自分の身体の班のが良い事を確認。

展開は積極的に池田選手に猛烈なアプローチで ”どうだ速いだろ!” と先頭を走る。バイクの機能をフルに生かすためにもケイデンスを高めにトラクションと推進力を産ませる事だけにフォーカス。相手の呼吸を確認しながらも、池田選手、岡本選手、宮津選手、後ろから山中選手と絞られ、登坂では余裕の展開があるが下り区間はパンクというトラウマが頭を引きづり、池田選手と宮津選手が進む背中を見送る形で、サイクリングモードへと後ろに引っ張られている自分がいた。登坂で追いつき、下りで離される。そのままの状況が進み、20kmを通過していた。

展開があったのは、その後10kmから。練習でも一緒に走った事のある、優勝候補として一人に挙げられる岡本選手が余裕で先頭に上がってくる好調ぶりを見せながらもパンクで後退。先頭は下りが長く続く区間で必死に追うも、追いつけない。登坂で巻き返して追いついてレースの展開を見定める。何年ぶりに味わう?このワクワクしたビクトリーロードを感じるのが久しぶりで、ここからどう展開するか?冷静に焦りから自信に満ち溢れている自分がいた。そう、既に数年前の自分にインスパイアして走っているのだ。3人のパックで先頭は形成され、この後に現れる一番辛いガレた登りでどう攻めるか?また、自分のペース、ライディングフォーム、ジェルのタイミング、距離。気を紛らわす時間などどこにも存在しないが、景色を眺める余裕だけは欲しいところだ。

一見すると整地されて安定して見える道はフカフカで、浮き砂利でハンドルが取られやすく、尖った岩が影を潜めている。タイムを更新するどころか、体力の消耗にリジットである利点が、差をつける事が難しい区間となっていた。森から数回見える道の先から確認できる範囲では2分の差。それでも登坂となれば、今の状況も自分へのチャンスへと活かせる。長いレースでは、5分以内では逆転は大いにあり得るからこそ、気を緩めずに進んだ。

毎年正念場となるガレ場の登り。ちょうど60kmを越える手前になるだろうか?水が流れ浮き砂利が体力を消耗させる。やっとの事で通過するも、前も後ろも見えず淡々と進んでいた。チェックポイント2、3と通過。依然2分差で大きな変化が無いが、孤独との戦いでは自分を信じて漕ぎ続けるしか無い。また、給水もここを逃すと湧き水で補うため、登坂の軽さと気温、残りの水量も半分以上残っていたので、そのままかけに出始めていた。

70km通過。”もういい!”精神的にも極度の疲労が訪れていた。標高も高いところでは1600メーター、現在でも標高は1400メータと高い。エアサスの通常より気圧により高めになって調整しなかったために、さらに身体への衝撃がダメージとなって蓄積されて来ていたのだった。”何が楽しいのか?”脳裏には苦痛しか思い浮かばない。悪いサイクル、ネガティブに思う事は考えるだけ無駄に、強い強風の向かい風と同じ。”もっと楽しめ!もっと攻めろ!”自問自答が始まるが、42kmのライダーと共有するようになるとその苦痛は一気に消え、励ましあう(大半のライダーは苦しくて無言だが、自分に言い聞かせる)ように追い越し際に”頑張れ!”と、言っていると不思議な事に自分へのパワーにつながって来ていた。

山中選手と競り合った数年前のレースを思い出し、登りのピークポイントを見定める。2位との差は1分にも満たないとの確かな情報を頼りに、諦めかけた自分を呼び覚ます。確かここまでが、誤算となり数回の登りに心を折る事なく通過し、下り始めた。あとは下るのみ。ゴールラインは、昨年よりも遅いタイムでだったが内容は良い走りができた。という気持ちで終えた。

疲労困憊で終えたレースも、対策を練って9月の120kmを走り来年へと繋げたい。たくさんの応援ありがとうございました。引き続きレースは今週末へ。まずは回復させることから次のステップアップへと繋げます。


チームスコット 松本駿

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